3月も終わりが近づき、いよいよ年度変わりとなりますね。
新年度は進学や就職など、多くの人の新生活が始まる時期でもあります。
人によっては引っ越しが伴い、住まいの環境が大きく変わるかもしれません。
3月は防災についてお話してきましたが、今回は避難手段についてお話ししたいと思います。
避難方法の選択
皆さんは、いざ自分の住む地域に大規模な自然災害が発生した時、どこにどんな手段で避難をするかを事前に考えていらっしゃいますか?
昨今は一人ひとりの災害への関心も高まり、発災時の備えをしている方も多いことでしょう。
避難の備えといえば、食料や水の備蓄や防災グッズの準備が一番に思い浮かぶかと思いますが、避難方法の選択も重要です。
例えば自宅の耐震補強もできており、必要な物資も備わっているとしましょう。
さらに家に複数のペットがいれば、避難所に向かうことのリスクを考えると在宅避難を選択するかもしれません。
しかし、たとえ避難方法を決めていても、想定していた避難方法が叶わない場合があることを忘れてはいけません。
建物自体が無事であったとしても、割れたガラス片の飛散や家財の倒壊、水害による浸水などによって在宅避難が厳しい場合、ほかの避難の手段を考えていなくてはペットと共に途方に暮れてしまうかもしれません。
他にも被害状況によって在宅避難が不可能なケースは存在し、ある地域では避難した住宅に侵入し窃盗を行う、いわゆる「火事場泥棒」を防止するために、地域住民へ一斉の避難指示が出されたケースもあります。
このように「我が家は在宅避難をする備えがあるから大丈夫」というような慢心は禁物なのです。
ペットを連れた避難所への避難は特に事前の備えが重要であり、クレートトレーニングなど基本的しつけや、フードや水といったペット用品の準備も必要になります。
もちろん、しっかりと備えて想定した避難方法でできることが最善ではありますが、ほかの手段まで考えて完璧に備えようとしてはキリがありません。
しかし、もしものときを頭の片隅において考えておくだけでも、自身と大切な家族を守るためになることを覚えておいていただきたいです。
自然災害とは、予測を大きく上回る被害をもたらす可能性があり、想定通りの避難が実現しない危険が大いにあることも実状です。
在宅避難に限らず、車中泊避難などほかの避難方法も、災害の種類や被災規模によって困難なケースはあります。
「もしも在宅避難ができなかったら」「もしも車中泊避難ができなかったら」を考えてみて、第二第三となる避難方法をイメージしておくことも、立派な防災の一つといえます。

執筆

鈴木清隆
一般社団法人 全日本動物専門教育協会
Japan Society for Animal Speciality Education(SAE)
ペット災害危機管理士講師統括責任者
株式会社SAEマーケティングワン
SAE Marketing One Co.,Ltd.
管理部長
特定非営利活動法人ペット災害危機管理士会
Pet disaster risk managar specified non-profit organization
理事長
消防団20年以上の現場経験を基盤に、防災士・応急手当普及員として命を守る行動を実践。ペット災害危機管理士講師として10年、全国で多数のセミナー講師を務める。箱根町でペット同伴宿を経営し、共生の現場を日常で体現。箱根町役場や東京都中央区との協働事業や同行避難マニュアル監修・同行避難訓練講師を担い、制度と現場、暮らしをつなぐ「机上論にしない」ペット防災を伝えている。
