今週の1月17日で、阪神淡路大震災から31年となります。
戦後初の都市直下型地震に見舞われましたが、被災地は復興し激震の跡はほぼ見えなくなりました。

当時は、災害時のペットの救護や日頃の備えについて浸透、確立しておらず、人だけでなく多くの犬猫も被災し、がれきの中をさまよったり、倒壊した家屋で飼い主を待ち続けたりする犬や猫の姿があちこちで見られたり、長引く避難で生活再建の見通しが立たず、ペットを手放さざるを得ない被災者も多かったそうです。

東日本大震災後に策定された環境省の災害時のガイドラインにおいて、ペットを連れて避難する「同行避難」が推奨されるようになりましたが、この度の能登半島地震においても、被災した人たちの中には避難所にペットを連れて行けず、自宅に留まったり車中泊を続けたりするケースが続いているそうです。

地震を防ぐことは出来ませんが、ペットと共に災害を乗り越えるために、平時からすべき準備をしていきましょう。
そのなかには、ペットと一緒に避難すること、そのために必要な準備ももちろんしておかなければなりません。
しかし、残念ながら同行避難についてはまだまだ制限があります。
今回はそんな災害時のペット同行避難について解説します。

ペット同行避難に必要なトレーニング

同行避難を行う際には、あらかじめペットにクレートトレーニングが必要です。
一緒に避難できる避難所があっても、「クレートに入っている状態で」という条件があります。
これは、不特定多数の人々が逃げてくる避難所での、飼い主による他人への配慮といえます。

しかし、犬も室内飼いが増え、お家の中を自由に過ごしている犬たちは、長時間クレートに入る機会がありません。
クレートの中が犬や猫にとって安心できる場所であるようにトレーニングしておけば、いざ!と言う時、人にとってもペットにとってもストレスになりません。
落ち着けるように、日頃から使っている毛布などを入れておいても良いかもしれません。

そして、犬の場合トイレトレーニングも重要になります。
どこでも排泄して良い訳ではないので、決まった場所、または決まったコマンドで排泄できるようにトレーニングもしておきましょう。

ペットの避難グッズの準備を!

フードやお水は、最低三日分を準備しておきましょう。
サンプル品や、普段のご飯を密閉袋に入れて保管しておいても便利です。
特に、環境が変わると急に食欲が無くなる場合もあるので、食べ慣れているフードの他に缶詰など、より嗜好性の高いフードも準備しておくと良いでしょう。
しかし、病気などにより決められたフード以外食べることが禁止されている場合には、処方食のストックを十分に確保しておく必要があります。

迷子札やマイクロチップ

迷子札は必ずつけましょう!もし、逃げ出してしまった場合の保険として用意しましょう。
一番はマイクロチップを装着すること。迷子札付きの首輪が外れても、マイクロチップを装着しておけば、保護された施設等で飼い主が判明することもあります。
大事なわが子の命を守る為にも必ずつけておきましょう。

避難生活は、普段の生活とがらりと変わります。
それが分かっているのですから、準備や備えをしておくのは当然のこと!
そして、避難グッズを準備してある方も、数か月に一回は中身をチェックして見直しましょう。

災害対策は一夜にしてならず!!災害に備え、ペットと共に避難準備を行っておきましょう。

執筆

鈴木清隆
一般社団法人 全日本動物専門教育協会
Japan Society for Animal Speciality Education(SAE)
ペット災害危機管理士講師統括責任者

株式会社SAEマーケティングワン
SAE Marketing One Co.,Ltd.
管理部長

特定非営利活動法人ペット災害危機管理士会
Pet disaster risk managar specified non-profit organization
理事長

消防団20年以上の現場経験を基盤に、防災士・応急手当普及員として命を守る行動を実践。ペット災害危機管理士講師として10年、全国で多数のセミナー講師を務める。箱根町でペット同伴宿を経営し、共生の現場を日常で体現。箱根町役場や東京都中央区との協働事業や同行避難マニュアル監修・同行避難訓練講師を担い、制度と現場、暮らしをつなぐ「机上論にしない」ペット防災を伝えている。