東日本大震災から14年、そして、阪神淡路大震災から30年、能登半島地震からは1年が経ちました。
その間にも、日本各地で地震や水害などによる被害は毎年のように繰り返されています。
私たちSAEペットの資格も、折に触れて何度も防災について紹介してきましたが、今月もペットと防災について考えていきましょう。
ペットを飼っている人の避難は考えているよりもずっと大変
まず何が大変かというと、災害に備える時点で大変です。
人用の防災グッズに加え、ペットたちの防災グッズも必要だからです。
防寒グッズや冷感グッズは共用で用意したとしても、やはり食事や水は別での確保が必要です。
水も共用でいいじゃない、と思われるかも知れませんが、被災直後、ライフラインが断絶された極限状態に置かれると、人と同じ水を与えられたペットに対して怒りを覚える場合があり、トラブルに発展する可能性もあります。
そうしたもめごとを引き起こさないためにも、ペット用の水は別で、いかにも汲み置きで人が飲むにはちょっと・・・・、と思えるような工夫をしておいた方がよいでしょう。
もちろん、中のお水は新鮮なお水であることは、飼い主さんだけが知っていればいいのです。
体調に問題のない子であれば、最悪避難所の備蓄や支援物資として提供されたごはんを与えてもいいかも知れませんが、療法食を食べている子ではそうはいきません。
支援物資として届けられるかどうかもわからないため、相応の備蓄を考慮しなくてはいけません。
いざ避難する際も大変です
用意してある防災グッズをもち、ペットを連れての避難、できそうですか?
小型犬や猫1頭ならなんとかなるかも知れません。
また、家族が複数人いる状態で避難するのであれば、役割分担をして荷物を分散することもできるでしょう。
しかし、1人暮らしでペットを飼っている、家族と暮らしているけれど、発災時家にいるのは1人だけ、という状況で、迅速に避難が開始できるでしょうか。
避難所までの道も、通常とは違い、陥没していたり、建物が崩れて道を塞いでいる可能性もあります。
避難所についてからも大変です
ペットと一緒に部屋で過ごすことができたとして、抜毛対策や万が一の排泄の失敗への対策は万全ですか?
もし別の部屋にペットを預けなくてはいけない場合、飼い主から離れても吠え続けてしまうなどの心配はありませんか?
もちろん、発災直後はペットたちも落ち着かず、考えられないような行動をする可能性はあります。
いつもはトイレを失敗しないのにしてしまう、いつもは吠えないのに吠えてしまう、といったことです。
そのときに、マナーベルトやオムツの着用ができるように日頃から慣らしていたり、吠えてしまう時の気の逸らし方など、こんな時だから仕方がないと放置するのではなく、こんな時だからこそペットたちのフォローができるようになっておく必要があるでしょう。
日頃から防災につとめている、とはいっても、本当に災害が起きた時、想定通りにいかないのが災害です。
災害が起きたら、と備えることはもちろんのこと、場面場面を想定して備えることも重要ではないでしょうか。
