東日本を襲った震災から15年を迎えましたので、災害について見直していこうと思います。
ペットを飼っている人たちの災害への危機感は、この15年で否応なしに高まってきています。
毎年のように起こる水害。
忘れた頃にやってくる地震。
経験したことのない強さや進路をとる台風。
自然災害が起こるたびに、いつ避難しよう、避難した先で犬や猫をどうしたらいいのだろう、と思い悩むことも多いでしょう。

とくにコロナウィルス感染症によって、感染予防のために、それまで考えられていた避難形態が根本から見直される事態となりました。
しかし、こうした状況は、ペットを連れての避難を考えさせられる良い機会ともなりました。
災害を知ることで避難を学び、災害に備えましょう。

海から離れていても「津波」の可能性

地震が起きた際、海や川を遡上して被害をもたらす「津波」と、山中などにあるダムやため池が決壊して被害をもたらす「山津波」というものがあります。

山津波とは、地震による斜面災害のひとつで、山の斜面が崩壊することによって河川が堰き止められて湖ができ、水がたまり続けてある限界を超えると堰が耐えられなくなり、堰き止められた水や土砂が一気に下流を襲う、という現象です。

もちろん、地震以外に大雨などでも引き起こされるものですが、2011年3月の大震災では、福島県で地震によって農業用のため池として造られたダム湖が決壊し、8名が犠牲となりました。

「地震洪水」の怖さ

また、首都圏では「地震洪水」への注意も促されるようになってきました。

阪神・淡路大震災の時にも、淀川の堤防が崩壊するなどの被害が出ていましたが、都内では、特に海抜0地帯を流れる河川で、地震によって堤防を支える土台が崩れたり、液状化によって弱くなったところに、余震などによって堤防が決壊する可能性が示唆されているのです。

「複合災害」を意識しよう

一言で災害といっても、地震や水害、火災などが同時多発的に起きることを複合災害と呼びます。
身近で起きている災害の種類にあわせて、避難する場所の変更や避難経路の変更を検討しなくてはいけません。
犬や猫、その他のペットを連れて逃げるのであれば、それこそ時間との闘いです。
河川近くにお住まいの方や、近所にため池がある、上流にダムがある、という地域にお住まいの方は、地震によって堤防などが決壊し、濁流が押し寄せてくる可能性を考えて、避難ルートや避難場所を見直してみましょう。

また、素早く行動できるよう、持ち出し用品も必要最低限に絞りましょう。
持って逃げるものが重ければ、機動力も落ちます。
まずは、自分やご家族の命とペットの命が優先!
持ってみた時に「重いかも?」と思ったら、本当に必要なものを、最低限準備するようにしてみましょう。

執筆


鈴木清隆
一般社団法人 全日本動物専門教育協会
Japan Society for Animal Speciality Education(SAE)
ペット災害危機管理士講師統括責任者

株式会社SAEマーケティングワン
SAE Marketing One Co.,Ltd.
管理部長

特定非営利活動法人ペット災害危機管理士会
Pet disaster risk managar specified non-profit organization
理事長

消防団20年以上の現場経験を基盤に、防災士・応急手当普及員として命を守る行動を実践。ペット災害危機管理士講師として10年、全国で多数のセミナー講師を務める。箱根町でペット同伴宿を経営し、共生の現場を日常で体現。箱根町役場や東京都中央区との協働事業や同行避難マニュアル監修・同行避難訓練講師を担い、制度と現場、暮らしをつなぐ「机上論にしない」ペット防災を伝えている。