冬に降る雪は、普段見慣れないものだから、と食べてしまう犬も多いです。雪が降る季節になると融雪剤と凍結防止剤が散布されます。この薬剤がペットの健康に被害を及ぼすことを理解し、飼い主さんへ注意を促せるようにしましょう。
冬の融雪剤や凍結防止剤の犬猫への影響について知る
雪は食べても大丈夫か?
犬が雪を食べてしまう理由には、ただ興味があるからや、水分補給の為と様々な理由があります。
雪は解ければ水になり、それを食べる分には問題ないのでは?と思われがちですが、実際は「食べさせない方が良い」です。というのも、地面に撒布された、凍結防止剤や融雪剤の入った雪を食べてしまった犬が中毒症状を起こしてしまった、という事故が発生しているからです。
融雪剤と凍結防止剤の危険性
雪の降る地方では、当たり前に撒かれているこの2つですが、動物には毒になります。
融雪剤の成分は、塩化カルシウム。この「塩化カルシウム」が、中毒を起こす危険性があります。
症状としては、皮膚や肉球に付着すると、赤くなったり、ただれて皮がはがれてしまったり、また、口にふくむと胃腸を刺激し、嘔吐や下痢、潰瘍の原因になります。摂取した量によってはショック症状が出てしまうこともあるので注意が必要です。
凍結防止剤は塩化ナトリウムで出来ており、大雑把に言うと「塩」です。過剰な塩分が健康に害を及ぼすのは周知の事実です。
犬猫が直接、雪を食べていなくても、足裏についた雪を舐めてしまい、その足裏についていた融雪剤や凍結防止剤で中毒症状を起こすこともあります。冬場の散歩には、靴下をはかせる、雪を食べさせないなど、様々な工夫が必要です。
もしも、雪を食べてしまったら
もしもペットが雪を食べてしまった場合、すぐにかかりつけの動物病院へ連絡してください。吐かせるための手段や、すぐに病院へ連れてくるように指示があるはずですので、それに従いましょう。
もちろん、飼い主が気付かないうちに食べてしまったなんて事もありますから、犬猫の様子が少しでもいつもと違う、ぐったりしている…と感じた場合はすぐに動物病院へ連絡するよう促しましょう。
冬場のお散歩の注意点
雪化粧された景色など、冬場の散歩は普段見れない光景に犬たちもワクワクします。
しかし、注意しなくてはならないことも多いです。
- 外に出る前にしっかりと寒さ対策を行いましょう。
特に子犬やシニア犬、シングルコートの犬種の場合、体温調節がうまくできないことが考えられます。 - 雪道を歩かせる際は靴下や靴を履かせてあげましょう。
- 帰ったら、ぬるま湯でしっかり手足を洗ってあげましょう。
万が一付着してしまった融雪剤や凍結防止剤を洗い流すとともに、冷えた体を温めてあげる効果があります。
散歩対策をしっかり行うことで愛犬と一緒に冬を楽しめるよう、飼い主へアドバイスしてあげましょう。